独立な試行と期待値
1.独立な試行と確率
いくつかの試行について、それらの試行の結果が互いに影響を与えない時、それらの試行は互いに独立であるという。
例).さいころを続けて投げる時の各回の目の出方。
・積の定理
独立な試行T_1 , T_2 があり、T_1における事象Aの確率をP(A), T_2における事象Bの確率をP(B)とする。試行T_1で事象Aが起こり、試行T_2で事象Bが起こる確率は \quad \quad P(A)\times P(B)となる。
1つのさいころを2回投げる時、1回目に偶数、2回目に2の目が出る確率を求めよ。
回答).
偶数が出る確率 :\frac{1}{2}
2の目が出る確率:\frac{1}{6}
であり、1回目に出る目と、2回目に出る目は互いに独立であるので、求める確率は
\frac{1}{2} \times \frac{1}{6} = \frac{1}{12}
2.反復試行
同じ条件で、同じ施行を続けて行う一連の試行を反復試行と言う。
・反復試行の確率
事象Aの起こる確率がpである独立な試行を、n回繰り返すとき事象Aがちょうどr回起こる確率P_rは,q=1-pと置くと、
P_r = {}_n C_r p^r q^{n-r}
3.期待値
統計学で、確率の視点からみた平均値の事である。
1つの変量Xがx_1,x_2,x_3, \dots,\quad x_nのどれか1つの値をとり、それらの値を取る確率
Pがp_1,p_2,p_3 , \dots ,\quad p_nであるとき、
X | x_1,x_2,x_3, \dots,\quad x_n |
P | p_1,p_2,p_3 , \dots ,\quad p_n |
と言う表が得られる。
ここで
\quad \quad p_1 + p_2 + p_3 + \dots +p_n = 1となる。
\quad \quad E(X) = x_1 p_1 + x_2 p_2 + x_3 p_3 + \dots +x_n p_nこのE(X)を変量Xの期待値(平均値)という。
100円硬貨を3枚投げて、表が出た効果をもらえる約束をした場合、その期待値を求めよ。
x枚が表である確率は
{}_3 C_x (\frac{1}{2})^x(\frac{1}{2})^{3-x} = {}_3 C_x (\frac{1}{2})^3となるので、期待値は
100 \times \frac{{}_3 C_1}{2^3} + 200 \times \frac{{}_3 C_2}{2^3} + 300 \times \frac{{}_3 C_3}{2^3} = 150 (円)