対数
1.対数
\( a \) を1でない正の数とし、\( a^m = M \) とするとき、\( mをa \) を底とする\( M \) の対数という。
\[ a^m = M \quad \longleftrightarrow m = \log_a M \quad \quad (a > 0 ,\quad a\neq 1,\quad M > 0) \]
\( M \) は対数 \( m \) の真数という。真数は常に正である。
特に底が10である対数を常用対数という。
習慣として、常用対数は底10を省略して、
\( m= \log M \)
とかく。
\( 2^5 = 32 \Longleftrightarrow 5 = \log_2 32 \)
※ \( a>0,\quad a\neq1,\quad M>0,\quad N>0 \) とする。
(1). \( \log_a a =1, \quad \log_a 1 = 0 \)
(2). \( \log_a MN = \log_a M + \log_a N \)
(3). \( \log_a \frac{M}{N} = \log_a M -\log_a N \)
(4). \( \log_a M^k = k \log_a M \)
(5). \( \large{ \log_a M = \frac{\log_b M}{\log_b a} } \quad (底の変換公式) \)
(6). \( a^{\log_a M} = M \)
次の式を計算しなさい。
(1). \( \log_6 2 + \log_6 3 \)
(2). \( \log_8 \sqrt{2} + \log_8 2 \)
(3). \( \log_10 2 + \log_10 \sqrt{15} -\log_10 \sqrt{6} \)
(4). \( ( \log_9 8 )( \log_2 3 ) \)
(5). \( (\log_2 3 + \log_4 9)( \log_3 4 + \log_9 2 ) \)
例題(1).
\( \log_6 2 + \log_6 3 = \log_6 2\cdot 3 = \log_6 6 = 1\)
例題(2).
\( \log_8 \sqrt{2} + \log_8 2 = \log_8 2^{\frac{3}{2}} = \frac{1}{2} \log_8 2^3 \)
\( = \frac{1}{2} \log_8 8 = \frac{1}{2} \)
例題(3).
\( \log_10 2 + \log_10 \sqrt{15} -\log_10 \sqrt{6} \)
\( = \log_10 2 +\frac{1}{2} ( \log_10 3 + \log_10 5 ) -\frac{1}{2} ( \log_10 2 + \log_10 3 ) \)
\( = \frac{1}{2} ( \log_10 2 + \log_10 5 ) = \frac{1}{2}\log_10 10 = \frac{1}{2} \)
例題(4).
\( ( \log_9 8 )( \log_2 3 ) = \frac{\log_2 8}{\log_2 9} \cdot \log_2 3 \)
\( = \frac{3 \log_2 2}{2 \log_2 3} \cdot \log_2 3 = 3 \)
例題(5).
\( (\log_2 3 + \log_4 9)( \log_3 4 + \log_9 2 ) \)
\( = (\log_2 3 + \frac{\log_2 9}{ \log_2 4 })( \frac{\log_2 4}{\log_2 3} + \frac{\log_2 2}{\log_2 9} ) \)
\( = (\log_2 3 + \frac{2 \log_2 3}{2})( \frac{2}{\log_2 3} + \frac{1}{2 \log_2 3} ) \)
\( = \log_2 3 (1+ \frac{1}{2})\cdot \frac{1}{\log_2 3} ( 2 +1 ) \)
\( = \frac{9}{2} \)
2.対数のグラフ
① 対数関数
\( a>0,\quad a\neq 1 \) の時、関数 \( y=\log_a x \) を
\( a \) を底とする \( x \)の対数関数という。
② 対数関数のグラフ
\( y=\log_a x \) のグラフについて
\( (1).\quad a>1 \) の時、増加関数。
\( \quad \quad \quad 0 < a < 1 \) の時、減少関数。
\( (2).\quad x \) 軸と (1,0)で交わる。
\( (3).\quad y軸が漸近線になる。 \)
\( (4).\quad y=a^x \) のグラフと直線 \( y=x \) に関して対称である。
下のスライダー部分をスライドさせると、\( y = log_a x \)(青) と \( y=a^x\)(赤) のグラフが作成される。
スライダーで\( a \) の値を変えることが出来る。
注意して見なければいけないのは、\( log_a x \) は決してy軸は接することがないという事だ。
3.常用対数
① 常用対数
底が10のときの対数を常用対数という。
底の10を小りゃあくして、\( \log_10 2 \) を \( \log 2 \) と書く事がよくある。
② 常用対数の値
\( log 10 = 1,\quad \log 100 = 2, \quad \log 0.1 = -1 ,\quad \log 0.01 = -2 \)
\( log 2 \approx 0.3010,\quad \log 3 \approx 0.4771 \)
常用対数の値はよく使うので、常用対数表がある。
③ 桁数の求め方
\( \alpha,\quad \beta \) を正の整数とする。
(1). \( \alpha \le \log x < \alpha +1 \quad \cdots \cdots x\) の整数部分は \( \alpha+1 \) 桁
(2). \( -\beta \le \log x < -\beta +1 \quad \cdots \cdots x \) は小数第 \( \beta \) 位にはじめて 0 でない数が現れる。
\( 2^{100} \) の桁数を求めよ。
例題).
\( \log 2^{100} = 100 \log 2 \approx 100 \times 0.3010 \)
\( = 30.10 \) より
\( 30 < \log 2^{100} < 31 \) となるので
\( 10^{30} < 2^{100} < 10^{31} \) となる。よって、
\( 2^{100} \) の桁数は 31桁の整数となる。