確率の基本性質

1.事象と集合

事象

試行の結果起こる事柄を事象という。

起こる全ての事象の集合を全事象といい、全体集合\(U\)で示す。

事象と集合

① 余事象:\(Aが起こらない事象\overline{A} を、Aの余事象という。\)

② 和事象:\(A、Bの少なくとも一方が起こる事象を和事象いい、A\cup B で表す。\)

③ 積事象:\(A、Bがともに起こる事象を積事象といい、A\cap Bで表す。\)

④ 空事象:\(決して怒らない事象を空事象\emptyset という。\)

 

例題

P,Rさんの二人でじゃんけんを行う試行について、Pさんが勝つ事象をA、あいこの事象をB、負ける事象をCとする。

(1).全事象を示せ。

(2).Aの余事象を示せ。

(3).AとBの和事象を示せ。

(4).AとBの積事象を示せ。

回答).

(1).\(Aがグー、チョキ、パーで勝った事象を、A = \{w_{グー},w_{チョキ},w_{パー} \}、あいこの事象を、B = \{d_{グー},d_{チョキ},d_{パー} \}、負けの事象を、C = \{l_{グー},l_{チョキ},l_{パー} \}とすると、全事象Uは\)

\(U = \{w_{グー},w_{チョキ},w_{パー},d_{グー},d_{チョキ},d_{パー},l_{グー},l_{チョキ},l_{パー} \}\)

となる。

(2).\(\overline{A}= \{ d_{グー},d_{チョキ},d_{パー},l_{グー},l_{チョキ},l_{パー} \}\)

(3).\(A \cup B = \{ w_{グー},w_{チョキ},w_{パー},d_{グー},d_{チョキ},d_{パー} \}\)

(4).\(A \cap B = \emptyset\)

 

2.確率の基本性質

確率の性質

① 任意の事象Aに対して、\(0 \leq P(A) \leq 1\)

② 全事象Uに対して、\(P(U) = 1\)

③ 空事象\(\emptyset\)に対して、\(P(\emptyset ) = 1\)

排反事象

同時に起こらない事象の事です。

じゃんけんだと、勝ちと負けは同時に起こらない等。

\(AとBが互いに背反 \quad \Longleftrightarrow \quad A\cap B = \emptyset\)
加法定理

① \(P(A\cup B) = P(A) + P(B) -P(A \cap B )\)

② \(P(A\cup B \cup C) = P(A) + P(B) +P(C) -P(A \cap B ) -P(B \cap C ) -P(C \cap A ) +P(A \cap B \cap C)\)

 

・特に排反事象の場合(\(A,B,C\)が互いに排反とする場合)

\(P(A \cap B) =0,\quad P(A \cap B \cap C) = 0\)

なので

① \(P(A\cup B) = P(A) + P(B)\)

② \(P(A\cup B \cup C) = P(A) + P(B) +P(C)\)

余事象の定理

\(P(A) + P(\overline{A}) = 1\)
例題

袋の中に白玉4個、赤玉が5個入っている。この袋の中から3個玉を取り出すとき、次の確立を求めよ。

① 3個とも同じ色の確立。

② 少なくとも1個が白玉である確率。

回答).

① A:白玉が3個の事象、B:赤玉が3個の事象、とするとAとBは排反なので

\(\begin{align} P(A\cup B) &= P(A)+P(B) \\ &= \frac{{}_4 C_3}{{}_9 C_3} +\frac{{}_5 C_3}{{}_9 C_3} \\ &= \frac{4}{84} + \frac{10}{84} = \frac{5}{42} \end{align}\)

② \(C:少なくとも1個が白の余事象\overline{C}:3個とも赤玉\)なので、

\(\begin{align} P(C) = 1-P(\overline{C}) &= 1- \frac{{}_5 C_3}{{}_9 C_3} \\ &= 1- \frac{10}{84} \\ &= \frac{74}{84} = \frac{5}{42}\end{align}\)

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