三角形の定理や性質

1.三平方の定理(ピタゴラスの定理)

三平方の定理

別名:ピタゴラスの定理

三角形において、成り立つ公式です。

\(\angle C = 90^{\circ} \Longleftrightarrow a^2+b^2 = c^2\)

 

角と辺の関係

\(\triangle ABCで \angle A , \angle B , \angle C の対辺の長さを,それぞれa,b,c\)とするとき、次の事が成り立つ。

\(\angle C \lt 90^{\circ} \to a^2+b^2 \lt c^2\)

\(\angle C = 90^{\circ} \to a^2+b^2 = c^2\)

\(\angle C \gt 90^{\circ} \to a^2+b^2 \gt c^2\)

 

2.三角形の中線と垂線

中線定理(パップスの定理)

\(\triangle ABC のBCの中点をMとすれば\) \(AB^2 + AC^2 = 2(AM^2+BM^2)\)

 

垂線の性質

\(AH \perp BC , BCの中点をM\)とすれば

\(AB^2-AC^2 = BH^2-CH^2 = 2BC \cdot MH\)

 

3.内分点と外分点

内分点

・線分AB上にある点。

・線分AB上を\(m:n\)に内分する点Pは、\(AP:BP=m:n\)の関係性にある。

外分点

・線分AB上にない直線AB上の点。

・線分ABを\(m:n\)に外分する点Pは、\(AP:BP=m:n\)の関係性にある。

 

三角形の角の2等分線と比例

三角形の内角、外角の二等分線での内分点、外分点の関係性

\(\triangle ABCで\angle A\)およびその外角の二等分線が直線AB上に交わる点をM、Nとすると

\(AB:AC = BM:MC=BN:NC\)

となり、逆も成り立つ。

また上の式が成り立つとき、

\(M、NはBC\)を調和に分けるといい、

\(B、M、C、N\)を調和点列という。

 

4.三角形と直線

メネラウスの定理

\(\triangle ABCを1つの直線で切り、\)

\(辺BC、CA、ABまたはその延長との交点をD、E、Fとすれば\)

\(\large{\frac{BD}{DC}\cdot \frac{CE}{EA} \cdot \frac{AF}{FB}=1}\)

逆も成り立つ。

※覚え方

三角形を作るように、点を辿っていけば分かりやすい。

\(\large{\frac{BD}{DC}\cdot \frac{CE}{EA} \cdot \frac{AF}{FB}=1}\)

について

\(B \to D \to C \to E \to A \to F \to B \)
例題

下記の図で\(AM:MB=2:1、\quad AN:NC=3:2、BNとCNとの交点をPとする。\)

\(BP:PN\)を求めよ。

解答).\(\triangle ABN に注目して、直線MPN\)で切ると、メネラウスの定理より

\(
\begin{align} \frac{BP}{PN}\cdot\frac{NC}{CA}\cdot\frac{AM}{MB} &= 1 \\
\frac{BP}{PN}\cdot\frac{2}{5}\cdot\frac{2}{1} &= 1 \\
\frac{BP}{PN} &= \frac{5}{4}
\end{align}
\)

よって

\(BP:PN=5:4\)

 

チェバの定理

\(\triangle ABC の平面上に1点Oをとり、\)

\(AO、BO、COと大変またはその延長との交点をD、E、F\)とすれば

\(\large{\frac{BD}{DC}\cdot \frac{CE}{EA} \cdot \frac{AF}{FB}=1}\)

となる。逆も成り立つ。

例題

下記の図で\(AM:MB=2:1、\quad AN:NC=3:2、BNとCNとの交点をPとし、直線APと線分BCとの交点をQとする。\)

\(BQ:QC\)を求めよ。

解答).\(\triangle ABC に対して、チェバの定理より

[latex]\begin{align}
\frac{BQ}{QC}\cdot\frac{CN}{NA}\cdot\frac{AM}{MB} &= 1 \\
\frac{BQ}{QC}\cdot\frac{2}{3}\cdot\frac{2}{1} &= 1 \\
\frac{BQ}{QC} &= \frac{3}{4}
\end{align}\)

よって

\(BQ:QC=3:4\)

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