微積一歩
1.高校物理のおさらい
大学に入ると速度や距離の式が微積分の式で表される。
そんなの当り前だって?
そう思った方は読み飛ばしていただいて構わない。
高校では、恐らく数学の進み具合と、物理の進み具合が
異なる可能性があるので、物理で微積分を使わないで
紐解いていくのだろうと思われるが、微積分の式で
表すともっと一般化され、意味も分かりやすくなる。
高校で習う等加速度運動の式をおさらいしてみよう。
- \( v = v_0+at \)
- \( x = v_0 + \frac{1}{2}at^2 \)
それと
\( v^2 – v_o^2 = 2ax \)
のような式はあるが、これは上の2式から導出
すればいいし、しなくても問題は解けますし
必要性がわからないので今回は説明省きます。
2.微分
では、上の2式について
速度\(v\)というのは、距離(\(x\))÷時間(\(t\))だ。
式で記述すると
\( v=\frac{x}{t} \)
ただし、物理でほぼほぼ扱われる速度というのは、
瞬間の速度を扱う。
瞬間とは、時間tが限りなく小さくした時の事だ。
時刻t、位置\( x \)として、瞬間的に\( \Delta t \)秒時間が進んだとする。
距離は \( x(t) -> x(t+\Delta t) \)
時間は \( t -> t +\Delta t \)
と変化した。この時の速度vは
\( v= \frac{ (x(t+\Delta t) – x(t))} { \Delta t } \)
瞬間を捉えたいので、\( \Delta t \)を非常に小さくすると
\( v= \lim_{\Delta t \to 0} \frac{ (x(t+\Delta t) – x(t))} { \Delta t} \)
と表される。
分かった人もいるとは思うが、これは微分の定義式だ。
そのため、
\( v = \frac{dx(t)} { dt }\)
と表すことができる。
上に戻って高校で習った等加速度運動の距離の式をtで微分してみよう。
きっと速度の式になったはずだ。
更に、加速度\( a \)というのは速度(\( v \))÷時間(\( t \))だ。
式で記述すると、、、というのは全部省略して
結果だけ、
\( a = \frac{dv(t)} { dt }\)
となる。
つまり、
距離\( x \)を時間\( t \)で微分 → 速度\( v \)
速度\( v \)を時間\( t \)で微分 → 加速度\( a \)
となるのだ。
ここで良い勘を持った人は分かったと思うが
高校では等加速度運動が一般的だったが、
これらの微分の式は、加速度が一定でなくとも成り立つ。
大学では、加速度が変化する問題も扱っていくことになる。
\( v = \frac{dx(t)} { dt }\)
距離\( x \)を時間\( t \)で微分 → 速度\( v \)
\( a = \frac{dv(t)} { dt }\)
速度\( v \)を時間\( t \)で微分 → 加速度\( a \)
3.積分
では次に、ある時刻t、物体の位置\( x(t) \)、速度\( v(t) \)で時間が瞬間\( dt \)進んだ時の
物体の位置は
\( x(t+dt) = x(t) + v(t)dt \)
と近似できる。式変形すると
\( x(t+dt) – x(t) = v(t)dt \)
\( dx = v(t)dt \)
となる。これを積分すると
\( x = \int v(t)dt \)
となる。つまり速度\( v \)を積分すると、距離\( x \)となる。
同様に、加速度\( a \)を積分すると、速度\( v \)となる。
つまり、
加速度\( a \)を時間\( t \)で積分 → 速度\( v \)
速度\( v \)を時間\( t \)で積分 → 距離\( x \)
となるのだ。
\( v = \int a(t)dt \)
加速度\( a \)を時間\( t \)で積分 → 速度\( v \)
\( x = \int v(t)dt \)
速度\( v \)を時間\( t \)で積分 → 距離\( x \)
このように大学では、高校で習った様々な式を微積分の式の形で表す。